【大学受験】評定平均の出し方は?推薦入試のために準備できることまとめ

評定 高校

大学受験において、推薦型の入試を考えている場合は評定が超重要です。

この記事では、こんなお悩みを解決します。

評定平均ってなに?どうやって算出するの?

評定と大学受験はどのように関わってくる?

評定アップのコツは?

推薦入試と一般入試、どちらが大変?

記事を読めば、評定の仕組みがわかり、大学受験に向けてやるべきことが明確になります。

進路の決定にぜひお役立てください。

この記事の執筆者

フリーランスWebライター。16年間学習塾の運営・塾長業務に従事したのちライターとして独立。

生徒だけでなく、保護者のお悩み相談・メンタルケアに注力し、子どもの教育環境がより良くなるよう尽力してきました。

「これまでの経験を活かせば、より多くの悩めるお母さんを楽にできるのでは」と思い記事を執筆しています。

目次

評定とは

評定とは、高校の学業成績を点数化したもの。

高校1年から3年1学期までに履修した全科目の成績が5段階で評価されます。

主に学校推薦型選抜の出願条件に使用します。

|評定の付け方

評定の基になるのは、定期考査の点数です。

ただし、定期考査の点数だけ良ければOKというわけではないですよ。

  • 授業への参加姿勢
  • 提出物

これらも評価の要素になるので要チェックです。

|評定の計算方法

計算方法は簡単!足して割るだけです。

※高3の成績は1学期終了時点のものを使います。

計算例

具体例を用いて計算してみましょう。

高1時に以下のような成績表だった場合は…

すべての評定を足すと48になり、科目数は13あります。

評定の合計を科目数で割るので、

48÷13=3.69…

小数点以下第2位は四捨五入するので、高校1年次の評定平均は「3.7」となります。

続いて、高2時の成績表が以下だったとすると…

すべての評定を足すと50になり、科目数は12あります。

評定の合計を科目数で割るので、

50÷12=4.16…

小数点以下第2位は四捨五入するので、高校2年次の評定平均は「4.2」となります。

推薦時には全学年の合算値を用いるので、

(48+50)÷(13+12)=3.92=3.9

高1~高2通算の評定平均は、「3.9」となります。

司 りょう

高2で頑張りましたが、高1時の評定が響いてしまっていますね…

高1の1学期からコツコツ準備しておくことが大切だとお分かりいただけたかと思います。

評定と大学受験はどのように関わる?

評定が選抜に影響する度合いは、選択する入試方式によって異なります。

以下、各入試方式と評定との関わりをご説明します。

|学校推薦型選抜の場合

学校推薦型選抜においては、評定の重要度は非常に高いです。

学校推薦型選抜は、大きく分けて2種類の方式があります。

指定校推薦

大学が指定した高校の生徒のみが出願でき、ひとつの高校から推薦できる人数が限られている入試です。

指定校推薦を受けたい場合、高校内での選考で勝ち抜かなければなりません。

たとえば、「A大学の指定校推薦枠2名」を持っている高校があったとしましょう。

この枠を希望する生徒が校内に5人いた場合、基本的には評定で上位の2名が選ばれます。

司 りょう

もちろん課外活動の実績等も考慮されますよ。
でも評価のメインは評定です。

指定校推薦は、校内選考で選ばれさえすれば合格率は非常に高いのが特徴。

推薦についてはこちらで詳しく解説しています。

校内での争いになるため、「評定平均が〇以上だからOK」ということはなく「高ければ高いほど良い」のです。

人気のある大学になると、評定平均4.5以上ある生徒同士で争うこともザラにありますよ。

公募推薦

大学が定める出願基準を満たしており、高校長からの推薦があれば出願可能です。

大学が指定する評定平均値はさまざまですが、4.0以上あればほとんどの大学の出願基準は満たせるでしょう。

ちなみにこれは「4.0あったら合格できる」ではなく「4.0あったら出願できる」という意味で、あくまで足きりラインに過ぎません。

選抜は「4.0以上の学生の中から」行われるということです。※「4.0以上」は一例です。

司 りょう

結局は、高ければ高いほど有利なんです。

なお、公募推薦の場合は「合格の保証はされていない」ということを覚えておきましょう。

公募推薦の倍率は各大学・学部、年度によって大きく異なりますが、だいたい2~5倍程度になることが多いです。

|総合型選抜の場合

書類審査や面接、プレゼンテーションなどを組み合わせ、大学が求めている人物像に適している生徒を選抜する入試方法です。

「総合型選抜に学業成績は関係ない」と耳にしたことがあるかもしれませんが、実際は調査書の提出を義務付けている大学が多いのが現状。

たとえ出願条件に「評定平均〇以上」という記載がない場合でも、「調査書の提出を求められる=評定平均を選抜に利用されている」ということを念頭に置いておきましょう。

よって学校推薦型選抜と同様、当然ながら評定平均が高ければ有利です。

「大学が求めている人物像に適している」ことを証明するには、評定のみならずその他の実績(部活動・留学経験・ボランティアなど)もアピールポイントになります。

評定だけが全てではないですが、自身の強みとしてアピールできる実績がないと厳しい戦いを強いられます。

|一般選抜の場合

一般選抜は、入試本番の成績で合否が決まるため、評定平均は関係しません。

はじめから「一般選抜一本でいく!」と決めているなら、高校の定期考査はそれほど重視する必要はありません。

司 りょう

赤点だけは取らないようにしましょうね。

入試で使用する科目と使用しない科目を切り分け、割り切って勉強するのが効率が良いでしょう。

|豆知識~在籍する高校によって有利不利があるのか?~

そもそもの話、評定平均は「高校内での相対評価」で付けられています。

ほとんどの高校が、評定の付け方に以下のような基準を定めているのです。

評定5:上位10~20%の生徒
評定4:上位21~40%の生徒
※パーセンテージは高校ごとに異なり、厳しめの高校もあれば甘めの高校もあります。

つまり、在籍する高校のレベルによって、子どもの立ち位置が変わるということです。

例をあげて、偏差値50の生徒が、偏差値55のA高校に入学した場合と、偏差値45のB高校に入学した場合で比べてみましょう。

生徒の学力が入学後も一定だと仮定すると、偏差値55のA高校にいるより偏差値45のB高校にいるほうが成績上位に位置できますよね。

評定平均 高校

結果として、偏差値55の高校にいるより偏差値45の高校にいるほうが評定は高くなります。

大学側はというと、高校のレベルを加味することはせず、表面上は「偏差値55の高校の評定4」と「偏差値45の高校の評定4」を同等に扱います。

司 りょう

なんだか不公平な気も…

ここまでの情報をまとめると、

実力より1ランク下+評価が甘めの高校に入学したほうが得なんじゃ!?

と思うかもしれません。

が、必ずしもそうとも言い切れなかったりします。

理由は以下の通り。

  • 高校のレベルをふまえて評定平均を評価する大学も存在する(表立っては言わない!)
  • 高レベルの高校のほうが、低レベルの高校より指定校推薦枠が充実している傾向
  • 低レベルの高校は推薦枠の取り合い合戦が熾烈(一般入試組が少ないため)

つまるところ、どんな高校にいれば受験に有利なのかは一概には語れません。

自身の高校の特徴と、現在の成績状況を踏まえたうえで最善策を考えるのが建設的だといえます。

もしまだお子さんが高校入学前なら、上記の内容を念頭に置きつつ、できる限り各高校の情報を集めたうえで入学校を決めるのが得策かと思います。

評定をアップさせる方法

実際に評定をアップさせるための具体策を4つ挙げていきます。

  1. 副教科が高得点は当たり前
  2. 苦手科目のリカバリー方法を考える
  3. 定期考査の勉強は一か月前から
  4. 授業態度・提出物を意識

それぞれ詳しくみていきましょう。

|副教科が高得点は当たり前

副教科とは、

  • 保健体育
  • 美術
  • 音楽
  • 技術家庭科

の4教科のこと。

手を抜きがちですが、副教科でコケると全体の評定アップは難しくなります。

テスト勉強には計画的に組み込んでおきましょう。

|苦手科目のリカバリー方法を考える

苦手科目は、理解するまでに時間がかかります。

時間効率を考えると、自力で取り組むのは得策ではないことも。

学習に行き詰まりを感じたら、プロの手を借りることも検討してください。

得意な科目の評定を伸ばし、苦手な科目の評定をカバーするのも一つの手です。

ただし、大学によっては出願条件に「全体の評定平均4.0以上、かつ数学は3.5以上」などと特定の教科の評定平均を求めてくるところもあります。

「国際系の大学を目指したいけど英語が苦手」

「理工学部を目指したいけど数学が苦手」

という場合なんかは、苦手教科と真正面から向き合い克服する必要があるでしょう。

|定期考査の勉強は一か月前から

授業の予習復習を毎日する習慣をつけましょう。

それにより定期考査の勉強の進み方が段違いに変わります。

そしてテスト勉強の計画は、一か月前からの計画で作成することをおすすめします。

考査の範囲が出てからじゃなきゃ勉強できないよ!

という子をよく見かけますが、それは違います。

考査の範囲は、「前回の考査範囲の次から」です。

「どこまでが」範囲になるかは授業の進捗によって変動しますが、「どこからか」は決まっているため一か月前からでも十分に勉強を開始できます。

「テスト前だけ長時間勉強する」ではなく「テスト後少し休憩、また次のテストに向けて少しずつ勉強」の方がトータルの学習時間が同じだったとしても効果が出やすいですよ。

評定平均 考査

|授業態度・提出物を意識

言わずもがな、授業に積極的に参加する姿勢は評定に直結します。

受け身で授業を受けるのではなく、前のめりになって参加する姿勢が大切です。

司 りょう

気が乗らないときはポーズでも構いませんから、その姿勢を忘れないでください。

また、当たり前のことですが、提出物の期限もしっかり守りましょう。

これは入試においてだけではなく、今後社会人になった際には当たり前に求められるスキルです。

提出物の期限を守る習慣は、必ずや子どものためになります。

推薦入試と一般入試、どちらが大変?

いわゆる「推薦入試組」と「一般入試組」はどちらが大変なのでしょうか。

よく議論になるトピックかと思います。

結論から言うと、大変さのベクトルが違うため一概には比べられません。

以下、それぞれの大変さのポイントを見ていきましょう。

推薦入試の大変さ

・高校1年の1学期から気を抜けない

・一度付いてしまった評定をリカバリーするのは非常に大変

・勉強以外のアピールポイント(課外活動など)も積極的につくる必要がある

・入試前の準備(面接練習など)に時間がかかる

一般入試の大変さ

・学校の定期考査より入試のほうが難易度が高い(受ける大学の偏差値による)

・定期考査で赤点を取らないようにするなど、学校の勉強と入試の勉強の両立が必要

・本番一発勝負なので、どんなに勉強しても努力が報われるとは限らない

・推薦入試と比べて進路確定が遅いため、ストレスを感じる期間が長い

一般入試の範囲は途方もないほど膨大で、数年単位での学習が必要になります。

推薦なら書類や課外活動など複数の項目を評価してくれますが、一般は結果が全てですので、数年間の努力自体は評価の対象になりません。

司 りょう

個人的には、よりシビアなのは一般入試だと思っています。

子どもがまだ非受験生で、推薦入試も視野に入れることができる状況ならば、その選択肢がなくならないように対策しておくことをおすすめします。

まとめ

  • 評定は、学校推薦型選抜の出願条件に使用される基準になる
  • 評定平均は高1~高3の1学期の成績で導かれるため、非受験生の頃から準備が必要
  • 評定アップのコツは定期考査と授業態度にあり
  • 推薦入試・一般入試それぞれ大変さのベクトルが異なるが、一般入試はよりシビア

どの入試方式を選択するにせよ、本気で大学受験を目指すなら非受験生からの継続した学習が不可欠です。

まだ受験についての方向性が定まっていない場合は、一度子どもとお話合いの機会を設けてみてください。

過剰に不安になる必要はありませんが、のんびりもしていられません。

今すぐにでも出来ることから動き出してみましょう!

親ができることについて迷いがある場合は、こちらもご覧ください。

子どもにとって納得がいく進路選択ができることを祈っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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