大学受験を控えている子どもを持つお母さんへ。
「塾に通わせたほうがいいのかな」
「どうやって子どもに合う塾を探せばいいのかな」
とお悩みではありませんか?
たくさんの選択肢がある中から子どもにぴったり合う塾を選ぶのは大変ですよね。
この記事では、これまで16年間学習塾の運営に従事してきた筆者が、塾に通うべき理由と選び方のポイントを徹底解説します。
最適な塾選びにお役立ていただけると幸いです。
フリーランスWebライター。16年間学習塾の運営・塾長業務に従事したのちライターとして独立。
生徒だけでなく、保護者のお悩み相談・メンタルケアに注力し、子どもの教育環境がより良くなるよう尽力してきました。
「これまでの経験を活かせば、より多くの悩めるお母さんを楽にできるのでは」と思い記事を執筆しています。
そもそも、大学受験に塾は必要なのか?
結論からお伝えすると、
大学受験に塾は必要です。
なぜなら、プロに頼ったほうが現役合格できる可能性が圧倒的に高まるからです。
とはいえ、経済的な事情など、ご家庭によりさまざまな懸念事項がありますよね。
「塾に通わせない」という選択肢ももちろんありますよ。
実際に、塾なしで合格する子もたくさんいます。
ただし、「通わなくても大丈夫だろう」という楽観視だけは避けてほしいと思っています。
受験が終わった後に、
「こんなはずでは…」
「どこも合格せず浪人することになってしまった…」
となるのは悲劇です。
これからお伝えする塾に通うべき理由、メリットをご覧いただいた上で、最終的な判断をしていただきたいと思います。
可能な限り、「通わせる」という選択肢を検討いただきたいです。
大学受験生が塾に通うべき理由
大学受験に塾が必要だと断言するのには、下記3つの理由があります。
- 大学受験情報を得られる
- 内申点対策ができる
- 学習効率を上げられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
|大学受験情報を得られる
塾に通うことによって、受験の最新情報を教えてもらえる上、子どもに合った最適な志望校も提案してもらえます。
- 試験制度
- 必要科目・配点
- 試験問題の傾向
これらは各大学ごとに異なります。
子どもの得意・不得意によって有利にはたらく大学はどこなのか、情報を集めなければなりません。
全て自力でやろうとすると非常に労力が必要な上、情報の抜け漏れが出てくる恐れも。
塾にこれらを任せられるどうかで、受験突破の難易度は大きく変わるでしょう。
自ら情報をつかみとっていく姿勢は大切ですが、塾に頼ることができる安心感は非常に大きいものです。
|内申点対策ができる
近年の大学受験は、推薦入試によって合格を勝ち取る子どもの割合が上がっています。
なぜ推薦入試を選ぶ子どもが増えているの?
詳しくは、こちらで解説しています!
推薦合格を狙うためには、高1の初めから成績を高くキープする必要があります。
部活動や委員会・ボランティアなどの活動も、積極的に行っておくと尚有利。
塾に通っていれば、学校の勉強でわからないことが出てきたり、部活で学習時間が十分に取れなかったりしてもすぐに補習してくれます。
「わからないことが出てきてから」ではなく、「わからないことが出てこないように」塾で補習するという意識でいると、好成績を長期間キープできますよ。
|学習効率を上げられる
入試まで時間がない…間に合うのかな
勉強の仕方、これで合っているのかな…
大学受験生なら、誰しもこんな悩みにぶつかることでしょう。
塾では、入試まで残された時間から逆算し「今なにをどれだけ勉強しなければならないのか」という学習計画を一緒に立案してくれます。
勉強の仕方についても、タイムパフォーマンスが良いやり方を伝授してくれるため、ひとり悶々として取り組むより遥かに学習効率は上がります。
ほどんどの大学受験生は、学校行事や部活などで時間に追われていますよね。
そんな中、最短経路を行くためのアドバイスはお金を払ってでも得る価値のあるものだと思います。
現役合格を目指すなら、時間効率を高める意識は必要不可欠です!
塾に通い始めるのはいつからがおすすめ?
大学受験生にとっての塾の必要性はお分かりいただけたかと思います。
ここからは、塾通いを始めるべき時期とその理由についてご説明します。
塾通いを始めるタイミングはここ!
- 高校入学と同時がベスト!~一般対策も推薦対策も可能~
- 高2夏から周囲の通塾率が一気に増加!~国公立入試を目指すなら遅くともここまでには~
- 高2冬が最後のチャンス!
|高校入学と同時がベスト!
中学校の卒業式が終わった頃に入塾できればベストです。
このタイミングであれば、高校入学後の予習が行えるため、とてもスムーズに高校の勉強に移行できます。
推薦を視野に入れて定期テスト対策をしていくも良し、一般入試を目指してコツコツ学習していくも良し。
この時期から開始できれば、選択できる大学の幅は最大限広げられます。
学習が軌道に乗って、「自力でも頑張っていけそう!」と感じたら、一度退塾しても良いと思います。
受験勉強が本格化する高2冬頃に再入塾とかもアリ。
「勉強に困りごとが出てきてから入塾する」より、「困りごとが出てくる前に入塾し、問題がなくなったら退塾」のほうがよほど効果がありますよ。
|高2夏~周囲の通塾率が一気に増加!
大学受験を真剣に考えている生徒は、高2の夏期講習あたりから一気に通塾率が増加します。
国公立大学の入試を検討するなら、遅くともここまでには入塾しておきたいところ。
科目数が多いため、この時期から動き出さないと間に合わないんです。
推薦入試を視野に入れているなら、これまでの成績によっては間に合うか間に合わないかの瀬戸際といえる時期でしょう。
子どもが通塾についてあまり考えていない場合は、早め早めの時期から話し合いをしておくことをおすすめします。
|高2冬が最後のチャンス!
入塾するリミットだと捉えておきましょう。
この時期から通塾を開始するなら、現状の学力によってはそれなりの費用がかかることも覚悟しておく必要があります。
高1から細く長く通塾していたほうが、結果として費用面を抑えられたりします。
とはいえ、諦めてしまうにはまだまだ早すぎますよ!
「始めなきゃまずいかも」と気付いた時期がいつであれ、とにかく行動あるのみ。
塾側はプロなので、現状と志望校を照らし合わせ、どうすれば合格できるか一緒に考えてくれます。
迷っているならすぐにでも事前面談へ行くことをおすすめします。
塾選びの判断ポイント4つ
それでは、塾を選ぶにあたって必要になる判断ポイントをご説明します。
- 授業形式を理解する
- 講師の質・相性をチェックする
- サポート体制を確認する
- 費用・料金体系を確認する
|授業形式を理解する
塾にはそれぞれ特徴や得意・不得意分野があります。
ざっくり分けるとこんなかんじ。
それぞれ詳しく解説していきますね。
集団指導塾
学校と同じく、同じ教室で複数の生徒が一緒に授業を受けます。
黒板を使って授業をするイメージですね。
「難関国公立大対策クラス」
「中堅私立大対策クラス」
のように志望校別にざっくりクラス分けされていることが多いです。
予備校タイプの塾が多く、医学部受験や難関大受験に対応できる優れた講師が揃っています。
また、最新の受験情報も素早く共有してくれるため、情報弱者になってしまう心配も少ないです。
ライバルがいる中で切磋琢磨できる環境も、大学受験を乗り越えるためには好ポイント。
しかし授業についていくためには予習復習が不可欠。
塾以外での学習時間もしっかり確保できる子ども向けです。
尚、学校の授業についていけていないレベル感である場合は、集団ではなく個別を検討すべきです。
学校の授業も、塾の授業もわからない…
となってしまうことだけは避けましょう。
個別指導塾
家庭教師のようにマンツーマンで指導してくれる塾から、講師一人で4人程度を指導する塾まであります。
生徒一人ひとりの学力や志望校に合わせて最適なカリキュラムを作成し、それに即して指導を行います。
つまり、どんな学力層の子どもでもマッチする内容で指導が受けられるということです。
個別指導塾というと学力下位の子どもが通うイメージがあるかもしれませんが、そんなことはないですよ。
また、学習面だけではなく、講師が子どもの精神的な支えとして併走してくれるため心強い面も。
受験期はナーバスになる子どもも多いため、ありがたい部分です。
一方、講師の質が低かったり、相性が合わなかったりすると学習効果は出ません。
講師との相性面について、詳しくは後述しますね。
オンライン・映像授業塾
感染症流行の影響で、オンライン系の塾は一気に増えた印象です。
有名予備校講師の映像授業を自宅で視聴できる塾もあれば、講師のマンツーマン指導を受けられる塾もあり、提供内容はさまざまです。
対面の指導よりも時間あたりの単価は安い傾向にあるため、同じ予算でより多くの授業を受けられるでしょう。
塾通いが難しいところにお住まいでも、一流講師の指導を受けられるのも魅力のひとつ。
ただし、オンライン系の塾は授業外のサポート体制が手薄であったり、別料金であったりすることがあります。
学習計画作成や、志望校の相談もしてもらいたいですよね。
お月謝のなかでどこまでのサポートをしてくれるのか、事前にしっかり確認することをおすすめします。
|講師の質・相性をチェックする
特に個別指導塾の場合は、講師との相性が最重要です。
体験授業で子どもに合うかどうか試してみよう
と考えがちですが、体験授業自体は「わかりやすかった!楽しかった!」となる可能性が高いです。
どの塾も生徒確保に必死なので、人気の先生を配置してますよ。
体験授業が気に入った場合、必ず「入塾したらその講師が担当になってくれるのか」を確認してください。
実際入塾したら、
気に入った講師とスケジュールが合わない…
なんてことにならないように、事前にチェックしておくべきポイントです。
なお、個人的には、講師が「専任か、アルバイトか」はあまり気にしなくて良いように思います。
専任講師のほうが安心できるかもしれませんが、アルバイト講師にも優れた人は大勢います。
「アルバイトだからダメ」と切り捨てるのではなく、あくまでその講師の人間性を見て決めるほうが、失敗は少ないです。
アルバイト講師のほうが、めちゃくちゃ熱心に指導してくれる…なんてことも多いです。
集団指導塾の場合、講師個人との相性面は個別指導塾ほど気にならないかもしれません。
しかし残念ながら、高圧的な雰囲気だったり、成績が良くない子どもに冷たかったりする塾も存在します。
塾がトラウマになってしまった子も過去に見てきました。
塾全体の雰囲気はしっかり確認しておくことをおすすめします。
|サポート体制を確認する
個人的には、サポートの手厚さが最重要ポイントであると考えています。
- 学習相談や進路相談
- モチベーション管理、成績管理
- 塾長と担当講師の連携
少なくともこれら3つの項目については、どの程度対応してくれるのか確認しておきましょう。
「定期面談を実施しています」
という塾は多いですが、実際その中身は季節講習を売りつけるためのものだったりします。
入塾するまで実態はなかなか把握しづらいと思いますが、初めの事前面談の際に
- 塾長がどれだけ親身になってくれたか
- 塾長の態度、講師とのコミュニケーションの仕方
これらを観察してみると良いように思います。
|費用・料金体系を確認する
塾で必要になる費用は大きく分けて次の通り。
一般的には、集団より個別のほうが、時間当たりの授業料は高額になります。
また、個別のなかでも講師一人あたりで受け持つ生徒の人数が少なくなればなるほど単価は上がり、マンツーマン指導が最も高額になります。
人件費の兼ね合いですね。
週に何回受講するのか、何教科受講するのかによって授業料は大きく変わります。
料金表を公表していない塾も多いため、直接問合せするのがおすすめです。
塾選びの注意点
ここでは、塾選びの際に必ず確認してほしい事項を説明いたします。
|授業料が「安い」にだまされないで!
一見授業料が安く見えても、季節講習費が膨大にかかる塾があります。
季節講習で利益を出してる塾って、意外と多いんです。
授業料だけを見て安易に選択すると、
想定していたよりお金がかかった…
となる可能性もあるため、通常授業料以外に発生する費用についても事前に確認をしておきましょう。
また、一番避けてほしい選択は
- 内申点対策をしたいのに、料金面で集団指導塾に決める
- 授業についていけるか不安があるのに、料金面で集団指導塾に決める
というもの。
これらのニーズは個別指導塾で叶えるべきものです。
集団指導塾では学校の内容フォローは基本的にできませんし、授業についていけないなら集団指導塾に通っても意味がありません。
費用面でネックになるとしても、コマ数を最小限にするなどして個別指導塾に通うべきです。
その代わり、
- 授業外の時間も自習で教室に通う
- 自習時は空いている講師に積極的に質問する
などの工夫で授業時間の少なさをカバーしましょう。
|通いやすさは軽視しないこと
塾の立地にはこだわることをおすすめします。
- 自宅から近い
- 学校の帰り道に寄れる
- 送迎がしやすい
これらのうちいずれか1つは必ず満たすようにしましょう。
大学受験生は、授業以外にも自習や進路相談などで頻繁に塾を利用しますので、通いやすさはとても重要。
通いづらい立地にある場合、
面倒だなぁ。今日は自習に行かなくていいや…
となりがち。
そういう気分のときって、家にいても勉強はかどらないんですよね。
結果としてトータル学習時間が少なくなりやすいため、立地は軽視せずに選んでみてください。
|塾比較について
これまで16年間、毎日のように保護者さんに対して新規入塾面談を行ってきました。
その経験をもとに、失敗しない塾比較の手順をお伝えします。
- HPや資料を見て気になる塾を数件ピックアップする
- 無料学習相談を申し込む
- 比較軸リストに則って最良の塾を絞り込む
漠然と何件も塾をまわっていると、
どの塾もそれなりに良さそう。どこにしたら良いのかなぁ。
と決めきれずにズルズルいくパターンに陥りがち。
結果として入塾のタイミングが遅れ、学習機会の損失になります。
塾長は自分の塾の良い面をアピールしまくりますので、話を聞けば聞くほど迷ってしまいます。
比較軸をもっていると、不必要に悩む時間を短縮できますよ。
以下に、比較軸リストの例を示しておきます。塾検討の際にお役立てください。
まとめ
ここまで読んでくださったお母さんは、塾に対する基本的な知識は身についています。
あとは実際に気になる塾に出向いてみましょう。
その際は上記の「比較軸リスト」に則って話を聞いてみてくださいね。
なんにせよ、実際に塾に通うのは、お母さんではなく子ども本人です。
本人が気に入るかどうかを最優先して検討してください。
また、理屈だけで比較することは正直おすすめしません。
塾とはいえ、結局は人間同士の関わりあいなので、フィーリングが合う・合わないは絶対にあります。
実際塾に出向いて、「なんかいいな」と感じる直感もぜひ大切にしていただければと思います。
子どもにとってぴったりの塾が見つかることを祈っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。